Yusuke Saitoの雑記

センサー類, Python, Unity(C#), Unreal Engine, 機械学習とかについてのメモ

Point Cloud Library 1.8.1をvisual studio 2017で動かす(C++, windows 10)

はじめに

点群処理といえばコレ、といったくらいメジャーなPoint CLoud Library(http://pointclouds.org/)をwidows + visual studio 2017でプログラミングできるようにしていきます。

...とはいっても、先行的に@UnaNancyOwenさんなどがall-in-one packageを作成しており、導入を楽にしていただいています。とても助かっていますw

環境

  • OS:Windows 10 Home Insider Preview (64-bit)
  • visual studio community 2017(version 15.6.7)
  • cmake 3.11.0(本稿でインストールします)
  • 今後C++で実装していきます

参考

1 . パッケージのダウンロード

まずはじめに、パッケージをインストールしましょう。

http://unanancyowen.com/pcl181/

にアクセスします。次に、以下の図1の中の自分の環境に合わせたものをダウンロードします。 (私の場合、PCL 1.8.1 All-in-One Installer MSVC2017 x64です。)

f:id:stopengin0012:20180521013232p:plain

図1:All-in-One packageのダウンロード

2 . パッケージのインストールと設定

ダウンロードしたら、exeファイルを起動してインストールしていきます。 今回、PATHは自動で追加しないようにします。 (最近のブログを見ると、追加しても大丈夫になってるっぽい。) 他は、defaultのままで大丈夫です。

次に、環境変数を設定していきます。 大雑把に説明すると、「PCLの実行ファイルはここにあるよ!」ということをPCに教えてあげます。
「winsowsキー(窓が書いてあるキー)+R」で「sysdm.cpl」をファイル名を指定して実行し、システムのプロパティを呼びます。 そして、詳細設定タブ->環境変数をクリックすると、図2のような画面が現れるはずです。

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図2:環境変数設定の呼び出し

システム環境変数において、「PCL_ROOT」「OPENNI2_REDIST64」があることを確認してください。
(なければ、図2と同様に上記二つの変数と値を入力してください。)

次に、pathを設定します。pathの列をクリックし、編集ボタンをクリックすると、図3のような画面が現れます。 図3の下部5行を追加してください。(3rdPartyの部分は要らないかもですが、念のため)

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図3:path環境変数の設定

3 . CMakeのインストール

PCLはCmake(https://cmake.org/)でのプロジェクト生成を推奨されています。そこで、CMakeをインストールします。 公式ページのdownloadから環境に合わせたwindowsインストーラーパッケージをダウンロードし、インストールします。 この際、PATHを自動登録し、デスクトップアイコンにチェックを入れましょう(この辺は好みでw)

インストールしたら、「winsowsキー+R」で「cmd」を実行、コマンドプロンプト上で「cmake -version」と打ち、以下の図4にようになればOKです。 ここで、一度PCを再起動させてください。(環境変数の変更を適用するため)

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図4:cmake versionの確認

4 . CMakeによるプロジェクト生成

Point Cloud Library 1.8.1 has been releasedhttp://unanancyowen.com/pcl181/に、「Basic CMakeLists for PCL」の項があります。 Basic CMakeLists.txt for PCL(https://gist.github.com/UnaNancyOwen/f4dcd74ab870a0fc9e7a)の右上にDownload ZIPをクリックし、解凍し、フォルダ名を分かりやすいように変更しましょう。今回は、図5のように、フォルダ名を「sampleProject」に変更しています。

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図5:最小プロジェクトの構成

次に、CMakeを起動し、上部二つのダイアログボックスに先ほどのsampleProjectのパスを指定します。 configureをクリックし、お使いの環境のvisual studio(今回ならvisual studio 15 2017 WINI64)、use default native compliersを選択、Finishボタンをクリック。 そのまま「Generate」をクリック、Generate doneというログが出たら、「Open Project」でプロジェクトを開きましょう。

5 . サンプルプロジェクトの実行

以下の図6のようなプロジェクトが開かれていると思います。この状態で、「Ctrl + F5キー」を押すと、main.cppが実行されます。

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図6:visual studioでのプロジェクト画面

main.cppの実行を確認したあとは、PCLのサンプルを実行してみましょう。 project->Source Files->main.cpp をダブルクリックして開き、以下のコードに置き換えて「Ctrl + F5キー」で実行してみてください。
(source codeはこちらのものを変更しています:http://www.pointcloud.jp/blog_n14/)

#include <pcl/visualization/cloud_viewer.h>
#include <iostream>
#include <pcl/io/io.h>
#include <pcl/io/pcd_io.h>

int user_data;

void viewerOneOff(pcl::visualization::PCLVisualizer& viewer)
{
    viewer.setBackgroundColor(1.0, 0.5, 1.0);
    pcl::PointXYZ o;
    o.x = 1.0;
    o.y = 0;
    o.z = 0;
    viewer.addSphere(o, 0.25, "sphere", 0);
    std::cout << "i only run once" << std::endl;

}

void
viewerPsycho(pcl::visualization::PCLVisualizer& viewer)
{
    static unsigned count = 0;
    std::stringstream ss;
    ss << "Once per viewer loop: " << count++;
    viewer.removeShape("text", 0);
    viewer.addText(ss.str(), 200, 300, "text", 0);
    user_data++;
}

int main()
{
    pcl::PointCloud<pcl::PointXYZRGBA>::Ptr cloud(new pcl::PointCloud<pcl::PointXYZRGBA>);

    pcl::visualization::CloudViewer viewer("Cloud Viewer");
    viewer.showCloud(cloud);

    //This will only get called once
    viewer.runOnVisualizationThreadOnce(viewerOneOff);

    //This will get called once per visualization iteration
    viewer.runOnVisualizationThread(viewerPsycho);
    while (!viewer.wasStopped())
    {
        user_data++;
    }
    return 0;
}

マウスのホイールを引き、左クリックを押したまま移動で、原点を中心に回転できたりします。 すると、以下の図7のような画面が出てくると思います。これが出てきたら、PCLのセッティングは一旦完了となります。

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図7:サンプル実行画面

まとめ

windows10 + visual sturido 2017の環境にて、PCLのセットアップを行いました。 今後は、さまざまな点群処理の実装を行っていこうかと思います。